所有者

日本国

所在

川上村全域

「かもしか」は、昭和9年、国の天然記念物となり、昭和30年、特別 天然記念物に昇格しました。全国的に、角（つの）がカツオ漁のカギ針にすぐれていると言われ、防寒用の毛皮の需要も伸びて乱獲されたため、絶滅に近い数に減りました。指定後かなり回復し、特別 指定は成功しました。
ただ、数が増えた分だけ食害の被害が広がり、数の調整のための処置申請等も出されてきましたが、指定されたものをやたらに許可できないため、国は食害から守る助成事業を始めました。川上村も毎年、山地所有者の協力で5～900万円前後の補助事業を実施し、苗木や小さい木の周辺に金網を張って食害から保護します。
「かもしか」は、鹿ではなく、牛科の動物で体長約1m前後あり、頭にとがった短い角（洞角ーどうかくー）を持っています。角に見られる白い輪状の数により、年齢が判定できます。昼動く性質があり、シャクナゲ、ツガ、ヒノキ、スギなどの葉や若芽を好んで食べます。6月前後が繁殖期ですが、敵に会えば険しいガケ（崖）などに逃げ、角で突き落とし自分を守る習性があります。しかし、自分が落ちる場合もあって、山を歩けば死体に出会うこともあるかも知れません。最近、文化財保護が浸透し、カモシカの死体やケガして動けない姿を見つけたら教育委員会に知らせて下さる住民も増えています。当然、狩猟すれば処罰されます。