村民インタビュー
村民インタビュー
大辻さん
大辻徹路さん 川上村の集落”高原”で、こんにゃくの製造・販売業を営む。2005年から区長を勤め、常に区のことを考えている。
何を求めて田舎に住むのかが大事やな。
‐外から人が入ってくることに対してどう思いますか?
よその人が入ってくることに対して排他的ではないわけや。せやけど都会と違って、集落の中によそから人が入ってきたら見るやん。興味本位で。そのときの来た人の捉え方や。気にしない人もいれば、じろじろ見られてかなわんと思う人もいる。移住者の考え方次第やな。基本は排他的ではないんや。若い人が入ってきてくれたらなあ、嬉しいんやって。
‐移住にあたって何か気を付けることはありますか?
この集落の中には決まりがある。区費とか水道代は支払ってもらわなあかん。それから、奉仕っていうか、町場では行政が全部やったらいいと考えるかもしれんけど、地域は自分たちで守るという精神があるわけや。人足とかお盆の道うち(8月の第一日曜に行う、お盆に向けた道の掃除)とかは、今住んでる者がしとる。
‐じゃあ移住してきた人も参加するわけですね。
そうや。大変かもしれんけど、参加してほしい。
-でもそれって当たり前のことですよね。
人間ていうのは当たり前のことが出来たらすごいもんやで。当たり前のことが出来へんから問題になるんや。都会の生活とは違うから、都会で当たり前のことがここへ来ても当たり前かというと違う。ここへ来たら、そうした奉仕の活動にも参加してほしいんや。
‐どんな人に来てほしいでしょうか?
よそものは受け入れんということはないで。さっきも言ったけど、そりゃあ人が入ってくれたら嬉しい。でもやっぱり、入ってくる人の人柄による。都会の感覚のままで入ってきたら田舎では通用せんと思うねんな。特に田舎はお互い助け合うっていう気持ちがなかったら。
‐それが一番大事ですよね。お互い思い遣るというか。
集落の中に入ったら決まりやら奉仕やらの義務があるけども、年中行事に参加して村に溶け込むという権利もある。義務を果たせば権利もあるんやから、そういうことをしてくれるのが理想なんや。集落に入ったら、共存していく、一緒になって生活していくという気持ちを持って。仕事もあるやろうけど、出来るときに協力する。例えばお盆の人足が8/3にあるとする。でも仕事でどうしてもあかん。それやったら、3日までに家の近くの道だけでも下刈りしておくんや。お互いに助け合いながら生活していく。自分一人がしゃしゃり出たらあかん。都会の感覚とは違う。集落の中で生活するには協調性がないと。
‐川上村に住みたい人へアドバイスをお願いします。
田舎に行きたいという目的は何か、何を求めて田舎に住むのかが大事やな。自分は田舎に入って何をしたいか、何が出来るかということぐらい考えて来てもらわな。安易な気持ちで定住を望んでほしくない。田舎の生活や習慣を理解しようとする姿勢がないと。出来れば自立した人がええなあ。そういう人が来てくれると、我々もほんまにありがたいんや。全てこっちサイドの話やけどな。(笑)