公開日 2017年1月29日
- 所在
- 大滝1071番地-1及び2
「土倉翁造林頌徳記念」岸壁碑文は、国道169号線西河~大滝間の吉野川対岸壁に刻まれている。土倉翁は、吉野林業の振興、ひいては日本の林業に残した足跡は大きく、「樹喜王、造林王」と呼ばれた郷土、ひいては奈良県の偉大な先駆者である。
この碑文は、土倉翁の林業における偉大な貢献に共鳴し、翁と親交のあった東京帝国大学教授の本多静六氏が、翁の死後共同者を募って自らも大枚を叩いて翁の記念碑を完成させその業績を讃えたものである。
この碑文は、完成した大正10年5月30日を祝って作った小冊子に、大 正10年10月1日翁を讃えた挨拶文を載せて詳しく経緯を述べている。それによれば、本多静六氏が発起人となって自らも大枚300円を用立て、北村宗四郎さん、坂本仙次さんが150円、北村又左衛門さんが400円を支給し、川上村が足場代金等850円を出して完成させた。一文字の大きさ6尺4寸、文字の深さ一尺2寸、碑文全長13間、足場の高さ18間と幅6間でその建設に25日と150人を要したという。大正10年3月18日着工、5月30日完成した。石工は、現在大淀町比曽の和田石材店の先代である。貴重な村の文化財遺産として指定する。
●文字の大きさ:[縦・横]約2.0m
●文字の深さ:約0.36m
●碑文全長:約23.6m
●足場の高さ:約32.7m