公開日 2017年1月29日
- 所有者
- 福源寺
- 所在
- 高原902番地
- 時代
- 鎌倉時代
福源寺には、平安時代の天部像「あ形像・うん形像」以外に、もう二体の天部形立像(あ形像・うん形像)が保存されています。
この天部像は、先に10月号で紹介しましたこの寺の「観音菩薩坐像」(村指定文化財)をお守りする守護神としての役割を果 たされてきたものと思われます。
この守護神は、鎌倉時代に制作された桧の木像です。像の高さが108cmで、調査した専門家によれば、頭と体の材料は別 々のものを使っているとのことでした。同じ鎌倉時代制作の同寺の観音菩薩坐像よりやや後に彫られているようですが、動きのあるお姿は大変貴重で、村の彫刻史の一ページを占めている仏像のお一人でもあります。
今にも飛び出しそうに感じるほどよく出来ていて、腰をやや左にねじっています。彫り方も同寺の観音菩薩によく似ています。県内に残る他の守護神に比べて軽快さが少ないとの専門家の話ですが、よく見ていると軽妙な動きが大変快い感じがします。また、同寺保存の平安時代の天部形像にない躍動感があって、見る人を引きつけるそんな魅力ある彫刻の一つです。