公開日 2017年9月19日
こんにちは。私たちは「むらメディアをつくる旅」にライターとして参加した、東彩菜と畠山日和といいます。今回は、春亮木材の春増薫さんを取材させていただきました。
突然ですが、みなさんは「 “豊かさ” ってなんだろう?」と考えたことはありませんか?
私たちは今回初めて川上村を訪問し、春増さんに出会いました。春増さんは現在、別の人が所有する山を管理する「山守」の仕事と、お酒を運ぶ時に使う樽の側面に使用する「樽丸」という木材を作る仕事をされています。
川上村には500年以上の林業の歴史があると聞きましたが、林業の担い手は減少しており、春増さんもご自身が管理する山をどう継いでいくか悩んでいる、とおっしゃっていました。はじめは林業の詳しいお話を聞きながら、林業のことはほとんど知らない私たちにライターなんて務まるのかな…と不安になりました。しかし2時間に渡ってお話をする中で、見えてきたキーワードは「豊かさ」でした。
ライターの東彩菜(左)と畠山日和(右)
林業の担い手が不足しているという課題を、春増さんは柔軟な姿勢で見つめていました。私たちはそんな春増さんの姿勢が、もしかしたら解決策につながっていくのかもしれないと思いました。
川上村には、川遊びを楽しみに来る人、瞑想をしに来る人、未体験のドキドキを求めて来る人など、さまざまな目的を持った人がやってくると聞きました。春増さんは、そんな人たちに壁を作らず接してくださいます。
実際に私たちがお話を伺いに行った時も、温かく迎えてくださいました。そして、川上村の歴史や山に対する思いを熱く語ってくださいました。しかし村や山に熱意を持っている一方で、私たちにその熱意を押し付けるような口ぶりは一切ありませんでした。むしろ「みんなは村に来てどう思った?」「どんなところがいいと思った?」と聞いてくださり、「そんな考えもいいと思うねん」とうなずいてくださります。
山仕事についても、「山仕事は簡単ではない。危ない場面もあり、自分は3回死にかけたことがある。体得するにはたくさんの時間が必要。」と言いつつも、「色んな形で関わってもらい、少しでも興味を持ってもらえたら」と。そのように考える春増さんのもとには今、関東から村に来て、数ヶ月滞在しながら樽丸作りを手伝う方がいらっしゃいます。今回の取材中も、気さくに話に入ってくださいました。
お二人は最近、「都会と田舎で人の取り合いをしてもしかたない。田舎で育って都会に憧れる子も多いけど、最近は都会の子が田舎に憧れることも多い。平日は都会で働いて、週末は田舎で過ごす。そんなライフスタイルも、豊かでいいんちゃうかな」という話をしていたところだそう。そんな春増さんの柔軟な姿勢には、ご自身の経緯も影響しているかもしれません。
春増さんが樽丸作りを始めたのは、平成9年から。それまでは山仕事のみ取り組まれていましたが、山仕事は天候に左右されてしまいます。そこで天候に左右されない「屋根の下の仕事」を模索し、様々な仕事に挑戦した結果、樽丸作りに行き着いたそうです。
春増さん自身が、生きがいの創出や自分らしいライフスタイルを模索された経験が、柔軟な発想につながっているのかもしれません。そんな春増さんと話していると、私たちも視野が広がり、豊かなライフスタイルの選択肢が広がったように思いました。
川上村は、春増さんはもちろん、近所に住まれていた移住者の方、道端でお会いした方、役場の方々など、はじめて訪れた私たちにも「こんにちは」とあいさつをしてくれるような温かい村でした。そんな家族のように温かい雰囲気の川上村は、林業に興味のある人もひきつけ、色んな課題が解決されていくのかもしれません。
ぜひ、あなたも川上村を訪れて、自分にとっての“豊かさ”を発見してみませんか?
終
上記はむらメディアをつくる旅の参加者が作成した記事となります。
むらメディアをつくる旅は、12月まで月1回のペースで開催しております。
川上村の様々な人に取材をし、実際に記事を書いていただきます。
その内容は、本HPにて公開いたします。
詳しくは、こちらをご覧ください。