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奈良県川上村
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川上村のS D Gs〜未来を考えるとワクワクすっぞ〜

公開日 2020年5月29日

みなさん、こんにちは。
今日は、村とS D Gsの取り組みについて少しお話しをしたいと思います。
 
S D Gsとは
みなさんは、このS D Gsって言葉聞いたことありますか?
 
S D Gs(Sustainable Develpoment Goals)は「持続可能な開発目標」と訳されます。
S D Gsは国連によって2015925日に採択され、「17の目標」を掲げています。
その下に、目標を具体化する「169のターゲット」がおかれています。
 
SDGs.jpg
 
この17個の目標が設定された当時に公表された文書は、こんな一文ではじまります。
 「このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である。」
 
読み進めるとこんなことが書いてあります。
 「我々は、2030年までに以下のことを行うことを決意する。
  あらゆる貧困と飢餓に終止符を打つこと。
  国内的・国際的な不平等と戦うこと。
  平和で、公正かつ包摂的な社会をうち立てること。
  人権を保護しジェンダー平等と女性・女児の能力強化を進めること。
  地球と天然資源の永続的な保護を確保すること。
 
  そしてまた、我々は、持続可能で、包摂的で持続的な経済成長、共有された繁栄及び
  働きがいのある人間らしい仕事のための条件を、各国の発展段階の違い及び能力の
       違いを考慮に入れた上で、作り出すことを決意する。」
                           (「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」日本語(外務省仮訳)より引用)
 
課題はいろいろあるけれど、幸せな未来をみんなでつくりだしていこうという気概が伝わってきます。
S D Gsは「今を生きる私たちが本当の意味で幸せに暮らし続けていくために、みんなでクリアすべき課題」と考えるとわかりやすいでしょうか。
壮大な人類生き残りのための目標が打ち出されているわけです。
 
 
◆川上宣言
川上村には、村是としている川上宣言があります。
川上村に暮らす住民はもちろん、下流域の人々とも手を携えて、かけがえのない水と森を育てていきたい、そんな願いと決意を込めて1996年(平成8年)に全国に向けて発信しました。
宣言文はこんな内容になっています。
 
一、私たち川上は、かけがえのない水がつくられる場に暮らすものとして、下流にはいつもきれいな水を流します。
一、私たち川上は、自然と一体となった産業を育んで山と水を守り、都市にはない豊かな生活を築きます。
一、私たち川上は、都市や平野部の人たちにも、川上の豊かな自然の価値に触れ合ってもらえるような
       仕組みづくりに励みます。
一、私たち川上は、これから育つ子ども達が、自然の生命の躍動にすなおに感動できるような場をつくります。
一、私たち川上は、川上における自然とのつきあいが、地球環境に対する人類の働きかけの、すばらしい見本に
       なるよう努めます。
 
改めて読んでみると、きれいな水を流す責任性、自然と一体となった産業を育み山と水を
守る全体性、都市や平野部の人たちにも自然の価値に触れ合ってもらう相互性、子ども達が
すなおに感動できる場を提供する未来への投資、そして地球環境に対する人類の働きかけ
の見本になるよう努める多様性などS D Gsと同様の理念を有していることがわかる。
 
村は、この川上宣言の具現化を推し進め「水源地の村づくり〜樹と水と人の共生〜」を
テーマに村づくりに取り組んできた。
S D Gsの求める「環境・経済・社会の統合的発展」をまさに目指してきていると言える。
 
◆川上村のSDGs
 
そこで、今回川上村のSDGs宣言を発信していこうと思う。
川上宣言の具現化こそが、SDGsの達成に寄与していくものであり、川上村のSDGsの取組といえるだろう。
 
川上村SDGs宣言.jpg
 
この宣言は川上宣言とS D Gsの17個の目標のマトリックスになっており、ここの部分は
職員研修としてこの二つの関係性を紐解いていったものである。
日頃の業務を行なっていると、川上宣言とか正直考える時間がないのが、本音だろうと思う。
職員研修では、まず日頃行っている業務と関係のある川上宣言にチェックを入れてもらい、
その後、関係のあるSDGs目標にチェックを入れてもらった。
日頃行っている業務を介して、川上宣言とSDGsがつながり、自分たちの業務が、世界的な
目標達成にもつながっていることを理解してもらえたのではないだろうか。
 
こうした機会で村が一体どこを目指しているのか、それは間違っていないのか、改めて
考えることができたことは意義深いものであったと感じる。
 
◆第二次川上村環境基本計画 策定
そして、これからは、村民はもちろん村と関わるすべての人が、大小かかわらず「行動」に
移していくことが重要となってくる。
そこで、これからの10年間、「都市にはない豊かな暮らしの実現」に向け、持続性のある
展開と営みへの定着を図るため、第二次川上村環境基本計画を策定した。
この計画は、川上宣言の理念の下、S D Gsの考え方を積極的に取り入れ、大きな意味での
環境(経済も社会ももちろん自然環境も含まれる)を持続可能なものにしていく内容としている。
 
一人ひとりが日々の暮らしや営みの中において、自分にできることを考え、「川上村」で実践していくことが、
持続可能な社会を創造し、地球環境の保全につながり、結果として自らの豊かな暮らしに還ってくる取り組み
の担い手を育んでいきたい。
 
そのために、本計画では、理想の姿を語り合う場の設定から入っている。
普段の暮らしの中で、気になること・課題を声として集め、どうしていくべきかみんなで考え、決めていく。
このプロセスにしっかり一人ひとりが入ることにより、「自分ごと」として取り組んでいけるものと思う。
環境ガヤガヤ会議と称し、村民はじめ観光客含め村に関わるすべての人を対象に、課題に対しどうしていくべきか
考える場を運用していきたい。
 
99.png
 
そして、一人でも多くの人に身近に感じてもらうべく川上村ではS D Gsを以下のように読み解く。
 
S=主役は自分
D=できることから
G=ゴールをめざそう!
s =水源地の村から世界へ
 
日々の取り組みが結果的には世界を変え、ひいては自分自身に還ってくる川上村のS D Gs
形にしていきたいと思う。
 
◆幸せな未来へ
今、時代は大きく変わろうとしている。
明治維新以降、より多く、より広く、より遠くへと拡大し蓄積していくことが豊かさである
とみんなが目指した時代です。戦前は、経済と軍事で両輪を回し、ぶつかることが避けられ
なくなると力で決着をつける。軍事が基本的には非合法となった戦後、合法的な経済競争の
目指す先はやはり規模拡大と富の蓄積であった。
しかし、その「拡大」「蓄積」(経済的価値 モノやカネ)=「豊かさ」だという価値観自体
が変わろうとしている。
豊かさはもっと多様なもので、外的要因の束縛を受けずに、自分の人生の目的を知り意識的
に生き、持続的な歓びを享受できる社会こそ豊かな社会だと思います。
そんなパラダムシフトが起きている時代であり、明治維新並の時代の変化だと考えます。
 
 
村に関わるみんなが真の幸福感を得られるよう、川上宣言に基づき、S D Gへの取り組みを続けていきます。
 

お問い合わせ

水源地課
TEL:0746-52-0111