公開日 2017年1月29日
- 所有者
- 玉峰寺
- 所在
- 井戸521番地 (現在、奈良国立博物館預け)
- 時代
- 平安時代
この仏像は、伝承では、明治初年に、吉野川に沿って10町(約1km弱)上流の貝原から井戸に移住してきた際に、玉 峰寺に移されたものとも伝えています。また、この仏像をめぐって、他大字と奪い合いをしたなどという伝承もあり、昔の人々にとっては、仏様は地域の宝であったことがわかります。とにかく、話題にことかかない仏様です。
高さ87.9cm(光背や台座を除く高さ)の桧の仏像。体内に承安3年(1173年)造られたことや仏師名などの文字が残されています。この仏像は、中央公論美術出版発行「日本彫刻史基礎資料集成」(平安時代・造像銘記篇4)に詳しく紹介されています。
この仏像は、かなり傷んでいたため昭和40年代に修理されました。ただ、国宝でも重要文化財でもありません。責重な仏様に違いありませんが、認定品となっています。これについては、この記事の後に説明しています。
井戸の寺はご住職が不在です。そのため、盗難や火災の時が心配だとして、地元の方々が相談し、教育委員会仲介により奈良国立博物館に預けられています。奈良国立博物館へ出向かれたとき、受付に「玉 峰寺の仏様を拝観したい」と申し出られて拝観されることをおすすめします。奈良国立博物館は、近鉄奈良駅から徒歩約10分。県庁の斜め前にあります。