公開日 2017年1月30日
- 所有者
- 福源寺
- 所在
- 高原902番地
- 時代
- 平安時代
福源寺には、長い歴史の風雪に耐えてきた数々の仏像が保存されています。この像は、仏様ではありませんが、仏様をお守りする守護神としてまつられてきた歴史がありました。特にこのお寺の「薬師如来」(国重要文化財)をお守りする守護神として、大きな役割を果 たしてこられたものと思われます。
守護神にはさまざまなものがありますが、今号紹介の守護神は、「(1)「あ形像(あぎょうぞう)、(1)「うん形像(うんぎょうぞう)」の2体です。一般 に使われる「あ・うんの呼吸」という言葉は仏教用語で、間髪(かんはつ)を入れず2体の「ツーカー」の呼吸で薬師如来を外敵から守るお姿から生まれた言葉でしょう。口の開きかたによって、「あ・うん」を見分けることができます。むろん「あ・うん」とは、仏教の教えの基本として、重要な意味があります。
このお寺の「あ形像」の高さは105.9cmで、腰をやや左にねじっています。桧の一木造りです。また、足の下にねじ伏せられているのは「邪鬼(じゃき)〔天の邪鬼〕」と呼び、薬師如来を襲う外敵の一つで、外敵をねじ伏せて薬師如来をお守りしている姿を表しています。ただ、専門家のお話ですと、本尊の薬師如来の大きさに比べて少し小さいようで、この寺にどうして入ってこられた客仏かは不明です。