公開日 2017年1月29日
- 所有者
- 福源寺
- 所在
- 高原902番地
- 時代
- 鎌倉時代
観音様は、女性のようなお姿をしておられますが、男性でも女性でもありません。仏像には、男とか女という性はなく、強いて言えば中牲です。ただ、あの丸みを帯びたふくよかさや笑みを浮かべたお顔は、誰もが親しみを覚えます。特に、母親の姿として信じられてきた歴史がありました。観音様の信仰は、中国で花開き日本に伝わりましたが、中国は今も観音信仰は盛んです。
観音様は修行中の身で仏(如来)ではありません。ただ、仏の教えを最も親しく伝える役割が与えられていると言われ、親しみ深く造られ、慈愛のまなざしや顔には微笑みを浮かべておられるお姿として、日本でも数多くの信仰を集めてきました。
同寺の観音様の像の高さは98.5cmとかなり大型の仏像です。多少、私達が思っている観音様のイメージとは違った感じがしますが、そのことがこの像の古さを物語っているとも言えましょう。桧材で造られており、平安時代の手法を伝える鎌倉時代の作であるとの専門家の判定です。
高原の里を訪ね、このお寺へ登って昔を忍びながらの仏像鑑賞は、また、格別の趣があると思います。