公開日 2017年1月29日
- 所有者
- 金剛寺
- 所在
- 神之谷金剛寺212番地
- 時代
- 平安時代
金剛寺の本堂にまつられている仏像の一つです。像の高さは105.2cmあって、大変気高く感じられるとともに、堂々とした桧で造られた仏様です。
後日修理された台座の裏に、「江戸時代元禄15(102)年川上六保氏本尊。柏木村大御堂」という墨で書かれた記録があり、柏木の寺(松雲寺)の本堂より移された仏様であることがわかります。なぜ柏木の寺から金剛寺へ移されたかはわかりませんが、おそらく後南朝の供養のためだったのではないかと想像できます。
先日ご紹介しました同寺の「地蔵菩薩」と同様に、虫喰いが激しく、村指定文化財として保存するためには、是非共修理が必要であるとの考え方から、修理されて現在に至っています。
なお、この寺では、本堂も村指定文化財となっており、先月の同寺の文化財と同様に、2月5日の朝拝式に参拝される時に鑑賞いただければと思います。多くの歴史を秘めたこの仏様も、皆さんのご来寺をお待ちしているものと思います。これら「古き仏たち」は、吉野奥の歴史を語るうえで、大変貴重な文化財であると言えます。