公開日 2017年1月29日
- 所有者
- 日本国
- 所在
- 川上村全域
日本で住んでいる「イヌワシ」の仲間に、「鷹(タカ)・鳶(トビ)・クマタカ・オジロワシ」などがあります。
『イヌワシ』も含めいずれも肉食で、1m~2m前後とかなり大型猛禽類に属します。
今から約20年ほど前、村の中学生たちが「クマタカ」観察を広げ、教育委員会から「わが村のクマタカを追って」という小冊子が発行されました。その指導に当ったのが菊田浩二さん(日本野鳥の会会員)、理科の先生・理科クラブ野鳥観察班メンバー(中学生)などの活動が、NHKテレビで放送され有名になりました。三晃社という出版社から、『風をみる子供たち」(中学生のクマタカ観察記録・川上中学校理科クラブ野鳥観察班)も発行されました。その「クマタカ」は、今も村の山岳地帯の岸壁などに棲んでいます。
ここ3~40年姿を見なかった『イヌワシ』が、昨年頃から2~3つがいが営巣活動を開始したよ うです。野鳥の会会員間では、『今、なぜ川上に?」と話題沸騰のようです。自然と食べ物があるからでしょうか?
『イヌワシ』は、一度営巣すると毎年定着するという猛禽類の一つで、羽を広げれば約2m前後 ある内陸性大型猛禽類(ワシタカ科)。翼の長さ57~63cmで、羽を広げると1.5m以上となります。体が黒褐色のため、別名「クロワシ」ともいいます。3月中旬~4月上旬に産卵。7月~8月前後まで子育てします。
ただ、全国的に数が少なく、国天然記念物に指定されていますが、『イヌ』とは「大きい」という意味です。
ヨーロッパでは、「ゴールデン・イーグル」と呼び、紋章などに使われることが多く、昔から人々に親しまれた野鳥ということでしょう。北半球に広く分布。日本では北海道・本州・四国の高山などに棲み、冬は平地、海岸等への飛来もあります。主食はウサギ・ライチョウ・キジ・ヤマドリ・子ジカ・キツネ・野ネズミなどの小動物を捕獲する、きわめて勇猛な性質といわれています。
昔は、翼と尾羽は矢羽に使われたようですが、今は大変貴重な自然の生きる証人で、トビ・クマタカに加え、イヌワシの勇姿が村の上空を飛んでいるかも知れません。空を飛びたいという人間の夢は、こうした大型猛禽類から生まれたとも考えられ、「イヌワシ」の姿は、私たちに夢と希望を与えてくれる光のような存在です。 [参考広辞苑(岩波書店)・世界大百科事典(平凡社)]。