未来を、うるおす。奈良川上村

No.03

Niukawakamijinjya kamisya

ダムの底から蘇った天空の社。
川上村の歴史をつなぐ、幸福の拠り所

龍神の高龗大神(たかおかみのおおかみ)が
祀られているという丹生(にう)川上神社上社。
水源地の村、川上村は
水を掌(つかさど)る神様に見守られています。
実は大滝ダム建設に伴って
現在の山間にご遷座したのは、平成10年とごく最近。
鎮座地を変えて川上村を見つめ続けてきた神社で、
密かに広まっているという噂の「龍神の玉」や、
宮司の想いについてお聞きしました。

凶運が強運に!?
幸せを招く「龍神の玉」

丹生川上神社上社の100円おみくじ。できるなら大吉をひきたいものですよね。運試しにと引いて、もしも「凶」が出たら...。その時は落ち込まずにぜひ、社務所で神社の人に声をかけてみてください。この神社では、凶を引いた人にだけ「龍神の玉」という素敵なお守りを渡しているそうです。「凶を引いて落ちこんだ気持ちは、おみくじと一緒に境内に結んでもらって。代わりに幸運のお守りである『龍神の玉』を持って帰っていただきます」と望月宮司が優しい笑顔で教えてくれました。7年間でおよそ100個しか渡していないという貴重な玉に、“幸せを招いてもらった”という人が実際に多くいるそうです。

樹齢六百年以上の
ご神木から出てきた、
秘める霊石

龍神の玉以外にも、神社には幸運を招くものが。神殿内には、樹齢600年以上のご神木の、まさに胎内から出てきたという霊石があります。この石には、触れてから痛みを感じる体の部位をさすると痛みが和らぐ、願いを込めて触れると叶う、といった言い伝えがあり、幸福を招く石として広く知られています。実際に「触ったらビリっと何かを感じた」「病気が良くなった」といった話が、宮司のもとに届くことがあるそうです。

宮司が孤軍奮闘、村と神社のつなぎ目に。

7年前から縁あって丹生川上神社上社に就任された望月宮司。「就任当初は、すごいとこに来ちゃったなぁと。住民も少ないし、参拝者も少なかったもんですから(笑)でもね、だからこそやりがいもあります。たった一人で神社を取り仕切るのは休みもなく大変ですが、神社から村を盛り上げようと決めました。いまは神社の年中行事をはじめ、お祭りの場を村長と住人との話し合いのきっかけにするなど、いろいろと企画・開催しています。おかげで、小さい子どもたちも集まってくれるようになりました。これからの時代、水は人の営みの発展に大きく関わっていくと考えています。そんな水を掌る龍神様がいて、水をこんなに大切にしている川上村の未来は明るいですよ」。

 
 
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