未来を、うるおす。奈良川上村

No.08

Community-reactivating cooperator squad "Kawakamon"

川上村を愛する地域おこし協力隊
「かわかもん」。
独自スタイルで、
魅力発信を行う集団に迫る。

村民と協働で地域活性化のために活動しているのが
「かわかもん」と呼ばれる人たち。
2013年に制度がスタートし、今年で6年目を迎えます。
「川上 come on」という名前の由来通り、
村外からやってきた彼ら。
それぞれの得意分野を活かし、活動や仕事を続けながら、
川上村のために「できること」を模索・実行していることとは?
満期を来年に控えた4期生の平井健太さんと
マタレーゼ・エリック・ジェームスさんに
お話をうかがいました。

吉野杉と出会って、
僕の“好き”と“村おこし”がつながった

2年前に川上村へやってきた平井さんは現在、木工作家として「studio Jig」というブランド名で活動しています。「曲木」を使って生み出される彼の作品は、木の持つぬくもりに加えて、無垢の木材では表現しにくい丸みのある柔らかいカーブのシルエットが特徴的です。これは、アイルランドで学んだ製法。「一般的な家具の材料として最適なのは、重くて堅い広葉樹。でも、僕が主に使用しているのは軽くて柔らかい針葉樹です。特に節がなく年輪の細かい吉野杉は作品の素材として条件にぴったりなんですよ」と平井さん。「帰国したときに“吉野林業発祥の地”として歴史ある川上村が林業復活を宣言しているところで。作家活動の方向性と村のベクトルが同じだと感じました。ここは自分がやりたいことが叶う環境や材料が揃っていると確信して、地域おこし協力隊に参加することを決めました」。現在、彼の活動は作品を通じて吉野杉や村のPRに大きく貢献しています。

おじいちゃんやおばあちゃんと集まって、
飲んだり、食べたり…
そんな交流の場が楽しくて

地域おこし協力隊で初の海外からやってきたアメリカ人のエリックさん。古くから雄大な自然が残り、別世界につながっているような川上村に魅了され、参加を決意されたそうです。現在は「oide新聞」やカルチャー誌「ソトコト」での連載、エッセイの執筆といった作家活動を通して、大好きな川上村を国内外へ発信、村の魅力づくりに携わっています。また、一期生から受け継がれているやまいき市の運営や、村に暮らす高齢者の交流の場を作りたいという想いから、月に一度、クッキーなどを作ってみんなが集まれるイベントを催すなど、村内を盛り上げる活動も。「一緒にお酒を飲んで、会話を楽しんでいます。聞かせてもらう昔話の中には、記事に書きたくなるようなものもあります!僕が暮らす集落に、人が集まる“場所”を作りたい」と優しい想いを熱く語ってくれました。

6年を経て、かわかもんの活動は
川上村を「知ってもらう」から
川上村で「生きて行く」へ。

一期生や二期生のおかげで、村も都市部の人たちを受け入れる制度に順応し、協力体制の土壌が出来上がりました。三期生からは、各々の得意分野を活かすプロジェクトもスタートさせ、各自がスキルを伸ばしています。自分のやりたいことができる環境は、満期後の定住にもつながってきているそう。「3年間の活動を終えたとき、“村のために”というベクトルはそのままで、どんな活動ができるか・続けられるか、ということを考えて僕はここに来ました。そして今は、やりたいことをやれているから楽しくて。もう少し川上村に居る予定です」と平井さん。エリックさんは「村のご近所さんと仲良くすることも地域おこし協力隊の役目だと思っています。今やっていることが次の地域おこし協力隊に影響することも意識しています。僕たちの想いや活動を、次の隊員たちが引き継いでくれるとうれしい」と話してくれました。村のために自分のことも見つめ直して動く、お二人の根底には川上村に魅了されて生まれた「ここが好き」という想いが感じられました。

 
 
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